2回目の山葡萄篭編み講習風景・・2014年4月12~13日・・・
・・・完成作品の前で・・・
昨年も秋の風の強い講習当日でしたが今年も春風の強い講習日でした。(当地方は相変わらず風が強く地元の人もうんざりです) この時期は東北以南では「花見」も終えた頃ですが当地ではまだまだです。やっと梅の花が咲き出した頃です。 今回はとっても厳しい日程でした。前日も早くから講習を開始、夕方6時半までやって、さらに夜更けから夜明けまで編み続けたようです。 その気合が作った篭に移ったかのようで2日間で大きな篭をほぼ完成させてしまったのです。作品を前にしての撮影では 皆さんよくやったという満足感や安堵感から微笑がもれてしまったようです。本当に頑張った2日間でご苦労様でした。
・・・黙々と編み続ける・・・
昨年の講習は小さな型枠を使っての篭編みでしたが、今回は通常販売されている大きさの本格的な「山葡萄の篭」なのです。 それも持ち手もつける完成品を目指しているので少しの暇をも惜しんでの作品作りです。「編み機」も準備しましたが 機械ではなく「手編み」が自分らしさの持ち味が出せるだろうということで手編みにしました。前回はやり直しが少し 見受けられたようでしたが今回はほとんど手戻り無く順調にすすみました。人間は与えられた境遇に対応が出来るようになって いるかのようです。
・・・数日で篭編みを完成させる・・・
篭編みを手仕事として成り立つには数日(2~3日)で篭を完成させることが大事と考えています。必要な素材は準備をし 編み手はその素材を利用して篭を編むという仕組みです。今回はその部分のテストケースでもありました。 出来栄えも遜色なくもう少し鍛錬すれば手で編むことでもマニュアルや素材がきっちりしていれば可能のように思えました。 でもこのやり方は篭編みの楽しみを奪うものなのかすこしだけ頭を痛めてます・・・。仕事になると 良い物ができなくなるのではないかなって!・・・
・・・マスク3人娘とヒゴの特性・・・
山葡萄のヒゴは乾燥していて編むときに小さなクズを発生させるために「マスク」を着用しての篭編みを行いました。山葡萄の素材の ヒゴは鬼皮を剥いだ外皮と内皮からなりたっています。この外皮が摺れたりして小さなクズを発生させるのです。内皮は一番安定している 素材ですが樹齢や幹の太さに厚さや色合いが左右されるようです。一般的には外皮と内皮が一体となったものを山葡萄の篭には 用いられているようです。
・・・篭編み初めての作品?・・・
今回が初めての篭編みでしたがこのようにきれいに編むことができました。う~~ん・・こんなに簡単に編まれてしまって ・・・手筋が良いのか、素材が良いのか・・?・・気合が入っていたのでしょうか?・・・今回は素材が不十分なものでしたので が次回は篭編み専用のA級素材を使って篭編みを計画しています。・・・素材で出来栄えはどのように変化するか楽しみです。
・・・山葡萄篭の特長・・・
山葡萄の篭は他の素材の商品に比較すると長所が多いように感じられます。
1、色合いが上品で優れています・・・ヒゴのときはさほどとは思えないのに編んだ完成品の色合いは他の天然素材では 見ることの出来ないほどの味わい深い色艶それは山葡萄篭の持つ独特の上品な美しさです。
2、経年劣化や品質ダウンが少ない・・経年による緩み、隙間、色褪せ、ヒゴの劣化はほとんど無く利用する時間とともに良さが際立ちます
3、日本文化の香りがします・・素材が日本文化の風情をかもし出すかのようで、落ち着いた穏やかな色合いは 他の素材では表現のできない山葡萄の篭です。