1回目の山葡萄篭編み講習風景・・2013年10月13~14日・・
・・・編み方のコツを教わる・・・
風の強い講習当日でした。(当地方は風が強く冬の期間は地吹雪地帯となって交通が妨げられることが度々発生します) 天気は良かったので皆さん晴れやかに会場にお越しいただきました。講習内容は「アジロ編み」ということで先生から 油断をすると講習日程で終了しないと言われてましたので定時きっかりに編み作業にかかりました。先生から コツを会得させていただいている場面です。・・それにしてもこの風・・いや~な風ですね・・・太陽光発電ばかりではなく 風力発電にも補助金出して!・・・
・・・アジロ編みは日本の文化・・・
山葡萄の材料は当店で採取したものを利用いただいたのですが採取や保存、紐作りがわからず生徒さんには大変難儀をかけてしまいました。 それでも皆さん文句も言わずにもくもくと製作に励んで先生が危惧していた進行状態よりも早いという進み具合でした。経験者、初めての方 混合でしたが経験者の方々には多少物足りなかったかも知れません。初めての方は幾度と無くやり返し編み方の奥深さが体験できたことでしょう。 アジロ編みって漢字では網代(アジロ)ってかくのですが昔魚を捕るのに 網の代わりに木や竹で網のようなもを作って魚を捕ったのでこのような編み方を網代(アジロ)編みって言うようです。このアジロ編みいろいろな 模様がありますが身近なところでは和風住宅の「床の間」の天井にこの模様が良く使われます。
・・日本文化の建築技術にもこのアジロ編みが多く見られる編み方です。今回の参加者は貴重な日本文化を体験されたのです・・・
・・・自然素材は編み手の技量を超える・・・
自然素材の紐で作る篭などは作ってる最中はさほど良さを感じませんが、出来上がり後の味わいは製品の出来具合の良し悪しにかかわらず 素晴らしく良く見えてしまうので不思議です。自然の素材の持つ力は作る人の技術をはるかに超えているので作る技量の差はほとんど感じることが できません。これは初めて自然素材での編み物などへ挑戦する方にとっては大きな味方です。「これは私が編んだ篭」というだけで 篭職人に引けを取らないほど素晴らしく見えるのですから・・(・・自然素材を褒めすぎですか・・・)
・・・知識の習得に終点はありません・・・
参加者の中には自称高齢者(”高齢者という領域は現在は不明瞭ですよ”)という方もおりましたがそのような方がいたとは知りませんでした。 ある年齢で物事を区切ったり、判別したりは公的な機関が仕方なく行うことです。知識や技量は年齢に関係がありません。もしあるとすれば 経験からくる体験度合、体力差ぐらいでしょう。みなさん外見も若々しく物事に取り組む姿勢は勢いがありました。 「青春とは年齢ではなく心」という見本の方々でした。いつまでも未知のことに挑む姿は美しいと思います。
・・・ご参加ありがとうございました・・・ ・
・・・一子相伝は時代の逆流・・・
初心者でも熟練した職人のように出来る技(ワザ)はないのでしょうか、ある程度の物を製作するのに 十年もの歳月をかける事がどれほど時間を浪費しているのでしょうか?当店は田んぼに囲まれたところにあります。 ここから見る稲作、春の田植え、秋の稲刈りですがその機械化にはいつも感嘆して眺めています。 この機械の作業に「俺は稲作りの職人だ」といって異を唱える方は誰一人いません。腰を曲げてる人を見ると この機械が早く導入されていたらこの稲作職人さんも助かっただろうと思うのです。技を盗んだり、一子相伝は もう時代の逆流でしかありません。誰もがそのワザを手軽に入手し利用できることが「職人(手仕事)」の業界でも 必要だと思います。その意味で今回は型枠を利用することを計画しました。このような道具は経験者ほど不必要で 邪魔者なのです。にもかかわらず辛抱してご利用いただきました。今後も更に篭編みの世界を身近なものにするために 工夫をしていきたいと考えています。
・・・優秀作品は累乗効果の秀作・・・
2日間にわたる講習が終了し、ほとんどの参加者が作品を完成させました。その中から優秀作品を選ばさせていただきました。選んだのは当店のスタッフです。 (一応少しだけ技量があり篭編み見識があります)その優秀作品の画像です。自然の素材は編み手の技量を超えるので どれもが素晴らしく見えたとおもいます。その中から選ばれた作品は自然素材に編み手の感性が加わり累乗効果となって作品に表現されたようです。 秀作でした。
おめでとうございます。