山菜やキノコと違って篭編み材料となる山葡萄は採取がとても大変です。ある一定の短い期間に採取は限定され、採取地は奥山の 険しいところで採取も採取中の皮剥ぎ作業も初夏の蒸し暑い過酷な環境下の中で行うのです。この作業を次の世代に引き継ぐことは とても心苦しいことです。採取する人が減ってくることは当然考えられることです。それはそのような採取現場を利用する人は わからないから山葡萄樹皮材料代が他の材料に比べて高いと思うのです。採取者は折角採取したのに販売先が無いと困ります。 つい利用者側の条件で販売することになってしまいます。この採取作業は一般の日給取りにくらべると割が合わない作業なので 好きでなければできない作業ですが・・・この作業が好きな人はとても少なく・・・・・先が危ぶまれ資源が枯渇?するよりも先に 採取できる人はいなくなってしまいそうな気がします。・・・山村での生活は大変ですがやり方によっては大きな希望ももてる 産業です。・・・山葡萄の樹皮は山村の救い手になるかもしれません・・・若い人たちに過酷な条件下での採取はやらせることはできません。 ・・・もう奥山ではなく環境の良い職住近接のところで採取ができるようにしなければこの産業の未来や継続性はありません・・・ 「山葡萄栽培」は私たち「かごバック」作りには必須条件なのです。・・将来は畑で山葡萄の樹皮を採取できることを目指しています。


庭の山葡萄
5年ほど前に山葡萄の実を採取できるように挿し木で山葡萄を植えました。棚を作り何年かすると花が咲き 実をつけるようになりました。昨年ぐらいから一杯実をつけるようになりましがこの山葡萄の実を食べにくる 鳥が出現しました。それは先に偵察部隊が来て美味しそうだとわかると 仲間を呼んでくるのです。その数は数百羽というぐらいのとんでもない数です。棚の下に潜り込んで次から次へと 実を運び去っていきました。慌ててホームセンターに走り野鳥防止の網を2重に張り、さらに野鳥防止のヒラヒラ(これは全く 役に立ちませんでした)を何か所にもぶら下げました。すると野鳥は編みに数匹ひっかってしまい、警戒したのか それとも先に実をもぎ取られて面白くなくなったのか近くの電線にはくるものの様子を眺めているだけになりました。 この野鳥は「ヒヨドリ」でした。「ヒヨドリ」は木の実をたくさん食べてあちらこちらに実をまき散らして植物の 繁殖に大いに貢献しているのだそうです。・・・でも・・困りますね・・・山には鳥以外に「ハクビシン」や熊がいるのですが・・・

「幹を測定する」
5年目の山葡萄の幹の太さを測ってみました。おおよそ4cmほどあります。同じ時期に5~6本ほど植えましたが他は3cm弱です。 天然で自生している物は栄養などは全く不要だとず~~~と思い続けていました。彼らは栄養の無い土壌で育っているので特別何も する必要はないと考えていたからです。山の畑でいろいろな蔓性の植物を育てていますが肥料などの栄養などというものは一切施してなく 植えたらそのまま放置状態です。自然界では弱肉強食の理論が働いて強い物が生き伸びると考えていたからです。枯れたり成長が遅いのは その地が適さないからだと・・適地適植で自然淘汰されるので生き延びたものを増やしてやろうという考えでした・・・・しかし この山葡萄は他の場所に植えたものより成長が早く太くなりました。他の物も同じ親木からとって挿し木で育てたものです。・・ この山葡萄の根元には台所の野菜くず、キノコのくず、山菜のくず等を投げていました。・・・山にあるものは何にも与えてはいません。・・ あるときネットで木の苗を購入するために電話で注文すると植える前に地下に腐葉土を沢山入れるようにとか植えた後には肥料をやれば 成長は著しいとアドバイスを受けました。・・・野生種でも同じことが言えるかもしれないとこの山葡萄で教えれらたような気がします・・・

「挿し木にするホダキを準備する」
初冬のころ翌年挿し木にするホダキ?を準備します。画像は3年前に挿し木で育てた「山葡萄オス木」です。 葉が枯れ落ちた頃を見計らってホダキを採取します。ホダキは採取後冷蔵庫などで翌年の植え付け時まで保存します。 この場合沢山のホダキを準備しなければならないので大きな冷蔵庫が必要となりますが天然の冷蔵庫があると想像して 奥山の雪深い山葡萄をそのままにして植え付け時の5月に雪の中からホダキをとることにしました。 ホダキを採取した後は一日中水に浸けてすぐに地植えにします。時間をおくことによって発芽率が低下するので なるべく早く植え込みを行います。採取前に植え付け場所の準備が必要となります。このような自然採取の場合には 優良品種に目印をつけておき雪の中で採取します。雪の解ける時期と植え込み地の地温の関係が大事ですので注意します。

「山葡萄苗木・・1・・」
以前はこのようにプランターなどで挿し木を行い芽だしさせて翌年の春地植えを行っていました。他の蔓性の物も同様に行っていました。 この方法は芽だしの確率は高くなりますが沢山の苗を準備するには(約1000本ぐらい準備する)プランターや植え込み土壌がたくさん必要で 費用もかさみます。この方法にはその他欠点があるように思います。それはプランターで発芽させ成長させて翌春に地植えすることは 成長が一年遅くなる傾向があるようです。 苗木を地植えするとその地の土壌、環境に苗が慣れるまで一年以上の期間が必要なようです。その間は成長せずにじっと待ちつづけ 移植後の2年目に急成長するのです。これは他の蔓性のサルナシ、アケビ、マタタビなども 同様の傾向にあるようです。そのために発芽率のある程度の低下は植え込み本数でカバーすることにして現在はプランター10%地植え90%の 比率で挿し木するようにしています。

「山葡萄苗木・・2・・」
挿し木で育てた苗木は一年目は順調に育っています。これを植え替えするとこの状態で成長を止めてしまうのですが プランターなどから移植して地植え場所の土壌や環境に慣らすには植え込み時期を変えることでできるのではと 考えています。いままでは翌春芽を出してから植え替えしていましたがそれをホダキの採取する時期、初冬に植え替えすることで 成長の促進が計れるのではと考えていますが・・・どうなんでしょうか・・・

「山葡萄苗木・・3・・」
プランターで育て移植すると成長が遅い・・・では直接挿し木を本畑にしたらどのように育つのかを試すために プランターの隣りの土に直接挿し木をしてテストをしてみました。結果は画像のようにプランターでの挿し木と ほとんど遜色ない発芽率となりました。これで本畑に直接ホダキを挿し木することにしました。この挿し木ですが ホダキ採取時期と挿し木時期を間違えると極端に発芽率が低下します。ホダキは1/3位は冷蔵庫入れて 適期に挿し木ができるようにしあとの2/3は挿し木時期に雪山へ行って採取することにしました

「山葡萄苗木・・4・・」
上記画像のプランターと地植え挿し木の状態を翌春に移植せずにそのまま成長させて様子を見ることにしました。 双方とも2年目は勢い良く伸びて周辺は山葡萄蔓状態で歩くのに障害が出るほどでした。なかでも地植えしたものは 更に著しく伸びて大きく育ちました。これで直接育てたい場所に直接植えこむことができそうです。 この山葡萄栽培は一般的に行われている「実」を採取することではありません、「樹皮」の採取が目的ですので 植え込み場所の選定には相当の準備が必要となります・・画像のこの山葡萄は枝を採取してホダキとして利用することにしました。 ・・・・2年目でこんなに伸びるんです・・・・

「山葡萄栽培実験地」
店から15分ほど離れた場所を栽培実験地としました。(これ以外の土地の所有はありませんので)この場所には色々なものを雑多に 植えこんでいます。「山葡萄」も複合的に栽培することにしました。一つの目的は一般的な「実」を採取することです。もう一つは 「樹皮」を採取することです。同じ場所に植え込みをして成長過程を観察することにしました。「実」の採取は店の棚でやっているので それを拡大させることぐらいですが「樹皮」を採取目的での栽培はどのようにしたらよいのか色々と思案中です。

「実」を採取するための棚作りを行いホダキを直接地面に差込みました。これは2年目のものです。プランターからの移植と違いもうこんなに 伸びてきました。山葡萄の「実」はおおよそ4年目ぐらいで採取できます。この中にはオスの木を2本植えました。山葡萄のオスの木の 花の咲くのを楽しみにしています。来年ぐらいに花を咲かせたらとてもうれしいのですが・・・・さらに来年春には本格的に樹皮を採取するための 施設を計画しています。・・樹皮の栽培計画の一案には山の樹木をそのまま利用することです。・・今春に杉林に植え込みをしてみましたが、蔓の伸びるための 支柱などの計画が不十分のために蔓はどこへ延びたらよいのか迷っているようです。・・・その分も含めて来春にはもっと良い方法で栽培を計画しています。・・・ この計画がうまくいって樹皮が採取できれば胸を張って地域の皆さんに協力を申し出ようと思っています・・・・この後の計画遂行をお楽しみに・・・・